2019年5月7日
改正刑法を承認、弱者に対する犯罪は令状なしの逮捕が可能に
シンガポール国会は5月6日、改正刑法を承認した。弱者に対する虐待に厳しい姿勢を示したのが特徴で、幼い子ども、家政婦、障害者を虐待している者を警察は令状なしで逮捕でき、有罪の場合、最高で通常の2倍の刑が科せられる。シャンムガム法相兼内相によると、自らを守る力のない弱者の保護が狙いの改正で、警察の速やかな介入が可能になるという。
改正で、世帯を共にし、互いに経済的に生活を依存している間柄の者(婚姻、同棲を含む)の一方が虐待被害に遭った場合、弱者と認定される。子ども、家政婦、障害者に対する行為で、2人かそれ以上の者がいる中で被害者が死亡するのを起こさしめた、あるいは死亡するに任せた場合、犯罪の意図を全員が否定しても虐待の罪に問える。
改正法で新たに加えられた犯罪は、◇他人の裸や性行為を当人の同意なく見たり、記録したりする窃視◇性器をちらっと見せる行為(オンライン上で、あからさまな性描写のある写真を勝手に送る行為を含む)◇リベンジポルノ◇性病を持っていることを相手に隠しての性行為――など。
またレイプの定義が改められ、婚姻関係にある者同士でもレイプは犯罪として成立する。自殺未遂は犯罪のリストから外された。
刑事責任を問える年齢を7歳から10歳に引き上げた。7歳との定義は植民地時代からの名残だった。