都市再開発庁(URA)とシンガポール国土庁(SLA)は、遺産的要素を持つパシル・パンジャンの旧発電地区を、建物の構造を残しつつ再活性化するためのアイデア募集を開始した。建物内に立体農園を整備するなどのアイデアがありそうだ。敷地面積は15ヘクタールで、発電所が2つと石油タンク、関連付属建築物がある。応募の意向を持つ60人余りの市民が5月10日、視察訪問に参加した。
ビジュアルアートのヘマン・チョン氏は、中心的建物で、タービン、ボイラー室を収容していたA発電所ビルを、シンガポールの舞台芸術団が演じることのできるコンサートホールに改装することを提案する意向だ。天井が非常に高く舞台芸術にぴったりで、音響効果も興味深いという。発電地区は海岸に面しており、隣はラブラドル自然保護区。板張りの遊歩道をウエストコースト・パークまで整備するのも望ましいという。
発電地区は1950年代と60年代、急増する電力需要を満たすため整備されたが、80年代から90年代にかけ、よりクリーンとされる天然ガス火力発電所がセノコ、セラヤ島に建設され、役目を終えた。
赤レンガの壁、太い鉄柱が特徴。アイデア募集は2種で、1つは発電地区全体を再開発するための基本計画作り。だれでも応募できる。もう1つはA発電所に対する新たな利用方法で、遺産的価値を保存することが条件。建築の専門家、高等教育機関の学生が応募できる。