シンガポール保健省と米ワシントン大学付属健康測定・評価研究所(IHME)が共同で行った、2017年を対象にした世界各国の平均寿命調査で、シンガポールが84.8歳(男女の平均)と、常に1位の座にあった日本を上回った。生涯のうち健康な状態で過ごす年月も74.2年とシンガポールが最長だった。しかし不健康な状態で過ごす年月も増加している。
2017年に生まれたシンガポール人が見込める寿命は、男性がスイスの82.12歳に次ぐ81.94歳、女性が最長の87.55歳。健康な状態で過ごす年月は、男性が72.58歳、女性が75.81歳で、不健康な状態で過ごす年月は男女の平均で10.6年。1990年生まれのシンガポール人が不健康な状態で過ごす年月は9年とやや短い。
1990年以降、特に増加している心身障害は、聴力、視力の低下、痴呆や筋骨格系疾患などの神経疾患で、全て老化が関係している。
シンガポール国立大学(NUS)公衆衛生学院のチア・キーセン教授は「多くの人にとり、障害、疾患が良好な生活の妨げになることはない」と指摘。慢性病は無自覚のものが多く、病を抱えていても心は健全性を保てると述べた。
男性の平均寿命は、3位がイスラエルの81.28歳、4位が香港の81.15歳、5位が日本の81.08歳。女性は日本が87.21歳で2位。以下は、香港の86.11歳、アイスランドの85.94歳、スペインの85.83歳。
日本人が健康な状態で過ごす年月は、男性が71.41歳、女性が74.65歳で、ともにシンガポール、香港に次ぐ3位。