シンガポール金融管理庁(MAS)長官のターマン上級相は6月28日、シンガポール銀行協会の夕食会で、デジタル銀行免許を発行すると発表した。デジタル銀行は支店など実店舗を持たない銀行で、全てのサービスをモバイルアプリやタブレットを通じ提供する。
銀行業の経験がない企業も免許に応募できる。金融サービスの本格的提供を計画している配車サービス業者グラブの参入に道を開くものだ。MASは8月に募集を開始する。
小口業務も行えるフルバンクの免許は最大2つ、交付する。シンガポールに本部を置き、シンガポール人が経営に当たっている会社が応募できる。外資の場合はシンガポール企業との合弁を通じ応募できる。ホールセールバンクの免許は最大3つ、発行する。外資の応募も可能。後の段階で免許発行数を増やす可能性がある。
既存の銀行はこれら新規免許とは別に、それぞれデジタル銀行を設立することができる。ターマン氏は、従来型銀行とデジタル銀行が同じ土俵で競争できるようにすると述べた。
デジタル銀行に預金が認められるのは、当該銀行の事業提携者、職員、関連企業、特定の個人のみ。1者当たり預金の積立残高は最高7万5,000Sドル(約598万円)で、銀行全体の預金残高は最高5,000万Sドル(約40億円)。