2019年7月18日
6月の非石油地場輸出は17%減、6年来の低水準
エンタープライズ・シンガポールが発表した6月の非石油地場輸出(NODX=石油・再輸出を除く輸出)は前年同期比17.3%の減少だった。額は129億Sドル(約1兆251億円)で6年来の低水準。また4カ月連続の2桁減となった。前月比では7.6%の減少だった。
電子機器、電子機器以外の輸出とも減少した。2017年末以来減少傾向にある電子機器輸出は前年同期比31.9%の大幅減だった。電子機器以外の輸出は12.4%の減少だった。変動の激しい薬品輸出は11.3%減だった。
主要10市場別の内訳では、米国向け以外はすべて減少し、特に香港、中国、欧州連合(EU)向け輸出が減少した。
オランダ系INGのエコノミストによると、韓国、台湾の6月の輸出実績を下回っており、シンガポールに構造上の問題が生じつつあると考えられるという。メイバンク・キム・エン証券は、米中貿易摩擦で関税引き上げの影響を受けた製品のシンガポールから両国への輸出が今年初以降、減少していることを指摘。シンガポールは貿易転換の恩恵を受けていないと断定した。
石油貿易、再輸出を含めた総貿易は7.2%減少した。大華銀行(UOB)のエコノミスト、バルナバス・ガン氏によれば、アジア全域で貿易が減速しており、シンガポールのNODXは一段の減少が予想され、日韓の貿易摩擦は懸念材料を増やすものだという。