シンガポール中央商業地区(CBD)にあるA等級のオフィスビルの第2四半期の賃貸料は1平方フィート当たり月9.93Sドル(約790円)で、ここ10年で最高の水準になった。賃貸料上昇は8・四半期連続。前年同期との比較では12.6%の上昇だった。不動産サービスのコリアーズ・インターナショナルが発表した。
CBDのうち、賃料上昇幅が大きかったのはビーチ・ロードとブギスで、前年同期比18%増の1平方フィート当たり9.18Sドル。シティーホール地区は13.6%増の10.14Sドルだった。空室率が低いことと、テクノロジー系やコワーキングスペース業者からの堅調な需要が賃料上昇の主因だ。
コリアーズ・インターナショナルのトリシア・ソン氏によると、賃料上昇率はこの先鈍る見通し。テナント側が賃料引き上げへの抵抗を強めているためだ。
第2四半期の賃料動向に大きな影響を与えたのは2件の大型取引で、オクスリー・ホールディングスがシェブロン・ハウスを10億3,000万Sドル(約816億円)で米不動産ファンドのAEWに売却。フレーザーズ・プロパティーはフレーザーズ・タワーの権益50%を約10億Sドルで韓国の年金基金に売却した。