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イノベーション指数でシンガポール、8位に後退

 
 イノベーション(技術革新)の能力や成果を評価するグローバル・イノベーション指数(GII)の2019年版でシンガポールは8位と3つランクを下げた。しかしアジアでは引き続きトップだった。指数は米コーネル大学、仏ビジネススクールのインシアード、世界知的所有権機関(WIPO)が共同でまとめ126カ国・地域を順位付けした。
 
 調査内容は、知的所有権の登録申請数、モバイルアプリの創出、教育支出、科学・学術誌出版物など80項目。総合1位~10位は、スイス、スウェーデン、米国、オランダ、英国、フィンランド、デンマーク、シンガポール、ドイツ、イスラエルで、イスラエルは初の上位入りを果たした。シンガポールは、知識集約型雇用、戦略的提携、政府の安定・効率、高等教育で高評価だった。
 
 情報通信技術(ICT)の利用、国際基準に沿った環境認証、高い学位の女性の雇用、外国からの直接投資、知的所有権支払いの項目で比較的劣った。しかし特許申請、ビジネスモデル創造などイノベーション投入では高評価で、共同執筆者のブルーノ・ランバン氏は、こうした努力が将来のイノベーション生産につながるとコメントした。
 
 アジアでは中国が14位に入った。イノベーションの質では中所得国で1位。大学の質、科学出版物の質では高所得国より優れているとされた。