非炭酸系飲料でシンガポール1位のポッカ・シンガポールと同子会社のポッカ・インターナショナルは、ポッカ・インターナショナルのアラン・オン元最高経営責任者(CEO)を、取締役、また社員としての職務に違反したとして提訴した。
事件にはポッカ・インターナショナルの社員だったエーモス・ワン氏が2009年に設立した会社、アジアン・ストーリー(ASC)が絡んでくる。訴状によると16年8月、オン元CEOの勧めでポッカはASC向けの飲料の製法を開発し受託生産するとの契約を交わしたが、事業機会をASCに与えることになる取引で、ポッカの利益になるものではなかった。ASCに飲料生産能力も配送能力もなく、社員はわずか1人で、ポッカのブランド力に乗りASCの飲料を推進するのがオン被告の意図だった。
被告はポッカ・インターナショナルの社員に、ASC商品の販売に対し奨励金を支給し、広告費、販促費でポッカに損害を与えた。ASCはキムリーという名の会社に売却されたが、オン被告はそれ以前にキムリーの取締役に就任しており、キムリー、ASCに関与しているとの情報を100%公表していなかったという。
被告は犯罪を否定しており、裁判で争う構えだ。