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ASEANでの特許出願、シンガポール知的所有権庁がイニシアチブ

 
 知的所有権(IP)週間の開催に合わせシンガポール知的所有権庁(IPOS)は、複数のイニシアチブを発表。また他国との協力関係をさらに強めるため、複数の覚書、提携協定を交わした。
 
 革新的技術の東南アジア諸国連合(ASEAN)域内への流入に役立てるため、ミャンマーを除くASEAN9ヵ国のIP当局は、インダストリー4.0(第4次産業革命)技術の特許出願を後押しする計画を推進する。特にフィンテック、サイバーセキュリティー、ロボット工学領域の出願を優先。計画実施期間は2年で、出願から6カ月後の審査終了・特許認定を目指す。
 
 同IP当局は、特許審査協力の適用範囲を広げることでも合意した。出願者はASEANの国際調査機関(ISA)および国際予備審査機関(IPEA)が作成した調査報告を利用し、別のASEAN加盟国での出願で迅速な審査を受けることができる。IPEAは出願された発明が新規性、産業上の利用可能性を有するかについて、予備的見解を示す機関。
 
 IPOSは既に、人工知能(AI)分野での特許出願を短期間で審査する体制を整えており、中国のアリババから出願された電子商取引のAIに関する特許を、3カ月という過去最短の審査で承認した。また、英国、ブラジルのIP庁とも協力協定を交わしている。