マレーシアやシンガポールにヘイズ(煙害)をもたらすインドネシアの森林火災で、2015年にシンガポール環境庁(NEA)の捜査を受けた企業3社の事業権益地で、今年も多数の火災警報があったことが、インドネシアの非政府組織の連合体「コアリシ・アンチ・マフィア・フタン」の調査で分かった。
コアリシはNASA(米国航空宇宙局)の衛星画像から、火災が発生している地点(ホットスポット)を調べ、パルプ材伐採権益地と照らし合わせた。
ホットスポットが最も多かった8つの権益地を保有する会社のうち、3社がシンガポールに拠点を置く紙・パルプ会社、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)のサプライヤーで、ホットスポットが多かった別の1社はシンガポールのアジア・パシフィック・リソーシズ・インターナショナル・ホールディングス(APRIL)に木材を供給しているという。残る4社のうち3社もAPPに供給しており、そのうちの1社は丸紅関連企業だという。
2015年のヘイズ問題の時はAPPに木材を供給している企業がインドネシア当局から処罰を受け、シンガポールでも労組系スーパーマーケットチェーンが製品の扱いを停止した。
今回、NEAはAPPにサプライヤー4社に関する情報提供を求めたが、APPとサプライヤー4社は別個の法人であるとしており、APP製品排除の動きにはならないもようだ。