2020年4月17日
株を上げたシェンション、大幅増収の見通し
スーパーマーケットチェーンを展開するシェンションの株価が上昇している。政府が新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するためとし社会・経済活動を制限し始めて以降、「買い物客が行きたい商店」になっており、15日の株価は過去最高を更新。年初からの株価上昇率は30%に達した。
シェンションはローカル色と低価格が売り。創業者のリム・ホックチー氏が35年前、食料雑貨店の店先を借り、冷蔵豚肉を販売したのが始まりで、父親が経営する養豚場の供給過剰を何とかしたい、というのが理由だった。
その後、出店していたスーパーマーケットを買い取り、スーパー経営に乗り出し、現在は61店をシンガポール全土で展開。証券取引所にも上場した。兄弟でチェーンの運営に当たっている。
中国および香港、台湾、シンガポールで感染が拡大したサーズ(重症急性呼吸器症候群)の教訓から学んだようで、2008年のストレーツ・タイムズの取材に対し「サーズが発生し、人々がレストランから遠ざかった時、自宅で料理するため食料を購入する住民が増え、店は繁盛した」と語っていた。
一方、多くの経済活動の休止で上場企業は配当を減らすかゼロにする見通しで、不動産投資信託のSPH・REITは分配可能金の20%(以前は79%)を配当に充当する。シンガポール航空は無配になる見通しだ。