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政治

2020年9月9日

道路料金徴収システム、23年中頃に衛星利用方式へ移行

 シンガポール陸運庁(LTA)は8日、混雑時の幹線道路・高速道路利用に料金を課すエレクトロニック・ロード・プライシング(ERP)を、2023年中頃をめどに、衛星を利用した方式へ移行させると発表した。しかし走行距離に応じ課金する方式の導入は見送る。
 
 新ERPでは新たな車載機器(OBU)が必要になる。LTAは来年後半から無料で配布を始める。ERPの機能自体に変更はないが、ガントリー(ゲート)がこれまでより小さくなる。
 
 OBUは現在の車載器同様、課金地点と料金の情報を表示するが、新機能として交通情報と、スクールゾーンや高齢者の安全確保を優先したシルバーゾーンの存在を画面で知らせる。
 
 OBUはオートバイ用と自動車用の2種。オートバイ用は単体。自動車用は3つのパーツ(アンテナ、タッチスクリーン、処理装置)構成で、処理装置はダッシュボード下に設置する。現在のERPと互換性があり、料金支払いはネッツカード、EZリンクカード、デビットカード、クレジットカードなどこれまでと同じカード決済。
 
 南洋ビジネススクールのザファル・モミン准教授は「距離に応じた課金が施行されない間は、現行ERPの改良版程度のシステム」とコメントした。情報技術の専門家も「時代遅れのシステム」と手厳しい。

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