シンガポール陸運庁(LTA)は28日、MRT(地下鉄・高架鉄道)南北線と東西線に使用する車両40台をボンバルディア・トランスポーテーションから3億3,780万Sドル(約260億円)で購入する契約を交わした。川崎重工業と日本車輛製造のチームおよび独シーメンスが納入した第2、3世代の車両と入れ替える。
2024年から引き渡しを受ける。車内スペースが広く車いす利用者の利便性が増すという。運行情報を提供する液晶ディスプレーも付いている。
LTAは2018年にもボンバルディア・トランスポーテーションから66台の車両を購入する契約を交わしており、南北線、東西線で使用する198車両のうち106車両が同社製になる。ボンバルディア・トランスポーテーションはカナダのボンバルディアグループの鉄道部門で、本社は独ベルリンにある。
MRTの設備更新ではこれまでに、信号系統の更新、枕木10万本の付け替えが行われている。
ボンバルディア・トランスポーテーションが納入する車両はすべて同一設計で、技術部門の職員にとり理解が容易で故障への対応も改善されるという。価格の安さも再発注の理由だ。
ドイツ、フランス、スウェーデンなどで調達した部品を中国で組み立てる。退役する第1~3世代の車両は運輸遺産として複数車両を残し、学校、政府機関などに展示する。カフェ用など使いたい事業者には売却する。