2020年10月20日
メープルツリーが物流施設を買収、シングポストは豪社を
シンガポール企業が、電子商取引の増加を背景に重要さを増している物流資産への関心を強めている。不動産投資信託の政府系メープルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)は姉妹会社および伊藤忠商事の子会社から、中国、マレーシア、ベトナムの物流施設9カ所と、中国の物流施設15カ所の残余株(発行済み株式の50%)を総額10億9,000万Sドル(約847億円)で取得する。
MLTによると、これらの施設は道路、鉄道駅、海港、空港の近くなど立地条件が良く、希少物件であるため従来型倉庫より平均して20%多い賃貸料を稼げるという。
施設稼働率は94.7%。リース契約の残存期間は平均2.3年。主要テナントは、電子商取引のJDドットコム、中国の菜鳥網絡(ツァイニャオ)、スポーツブランドの仏デカトロン、海運のマースク、キューネ・アンド・ナーゲル。
郵便のシンガポール・ポスト(シングポスト)は豪州のフォース・パーティー・ロジスティクス(4PL)業者フレート・マネジメント・ホールディングス(FMH)株式38%を8,500万豪ドルで取得する。4PLとは優れた3PLのノウハウを持つ物流企業が、別の物流企業に自身の3PLノウハウを伝授し、サービス化することを指す。シングポストは電子商取引物流に注力しており、豪州で電子商取引利用が増大していることから将来性を見込み出資を決めた。