シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP国連麻薬委員会決議、シンガポールは落胆を表明

国際

2020年12月4日

国連麻薬委員会決議、シンガポールは落胆を表明

 国連麻薬委員会が2日、医療や研究目的の大麻を国際条約で定められている最も危険な薬物分類から削除する勧告を承認したことに対し、シンガポール内務省は、大麻が以前ほど危険とみなされなくなったと受け止められかねないとして落胆を表明した。承認は、患者の痛みの緩和など医療目的の大麻の合法化を後押しする可能性がある。
 
 委員会を構成している53カ国が投票し、賛成票が過半に達した。世界保健機関(WHO)が削除を勧告していた。ロシアや日本は反対票を投じた。シンガポールは投票権を持たない。
 
 薬物を規制している国際条約は「麻薬単一条約」で、薬物を規制の強さに応じて4つに分類しており、大麻は1の「依存性が強い薬物」と、4の「1のなかでも特に依存性が強く、危険」に分類されている。今回の決定で4から外れることになる。
 
 シンガポールは大麻を含め一定量以上の麻薬所持には死刑で臨むなど麻薬には厳しい姿勢を保っている。内務省は3日の声明で、国連は大麻に対する姿勢を軟化させたとの誤解を生み、大麻は以前ほど有害とみなされないとの誤解が、特に若者の間で生じると懸念を表明した。
 
 医療用大麻は米国の多くの州やニュージーランドで合法化されている。

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