シンガポール経済開発庁(EDB)が発表した2月の製造業生産高は前年同月比16.4%の大幅増だった。半導体・同関連需要、医薬関連需要の増加が生産をけん引した。増加は4カ月連続。
製造業の要である電子部門の生産は30%増加した。5G(第5世代)無線通信需要で半導体生産が36.5%の大幅増だった。クラウドコンピューティング需要も貢献した。
精密工学部門の生産は15%増だった。うち半導体関連装置生産が23.5%増加した。ダイス、鋳型、工作機械の生産は減少した。
バイオ医学部門の生産は24%増で、薬品生産が17%増だった。医療器具生産は輸出需要の増加で13%増だった。
化学部門生産は2.5%増。工業ガス、添加剤の生産は増加したが、石油製品生産は25%減少した。
ほかの部門の生産は減少した。輸送工学部門は24%の減少で、自動車部品の生産で陸上関連は20%増だったが、リグ(油井掘削装置)建造・造船など海洋・オフショア業は23%減、航空機保守など航空宇宙業は32%減と引き続き低迷した。原油価格の低迷でリグの注文はほとんどなく、また旅行規制で航空業の受注も少ない。
2月の増加率は大方のエコノミストの予想以上で、大華銀行(UOB)は通年の増加率予想を5%から5.5%へ上方修正した。