2021年3月29日
ワクチン接種状況と規制緩和の詳細(2021年3月下旬)
3月24日、シンガポール保健省(MOH)は新型コロナウイルス・ワクチン接種プログラムの最新情報および、規制緩和に伴う職場、イベント等の詳細を下記の通り公表した。詳細は保健省HPを参照のこと。
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ワクチン接種プログラムの最新情報
(1)フェーズ3に移行してから3ヶ月が経過しました。皆さまの努力と協力により、新型コロナウイルスはコントロールされており、過去1ヶ月間、コミュニティでの感染者は週に2人程度と低い水準で推移しています。コミュニティでの感染は依然として低いものの、世界中でウイルスとの戦いが続いており、感染拡大のリスクは残っています。ワクチン接種は安全管理措置、検査、接触者の追跡など他の手段とともに、リスクを軽減するための重要な手段です。シンガポールでは、ワクチン接種プログラムを拡大し、より多くの人々にワクチンを接種することで、経済活動やコミュニティ活動を再開できるようにしていきます。
(2)ワクチン接種プログラムはこれまで順調に進んできました。2021年3月23日時点で、約110万9000回のワクチン接種を実施しました。799,000人以上の方が少なくとも1回の接種を受けています。そのうち、約310,000人が2回目の接種を受け、ワクチンの接種を完了しています。
(3)2月22日以降、70歳以上の高齢者から順に接種を開始し、順調に進んでいます。ワクチンの供給がより定期的に行われるようになったことで、60歳から69歳までの高齢者への接種を2週間前倒しし、2021年3月中旬までに実施しました。現在55%以上の高齢者がワクチン接種を受けられたか、接種の予約をされています。まだ受けていない高齢者の方々には、できるだけ早く予防接種の予約することをお勧めします。なお予防接種の予約は、コミュニティクラブやセンターで行うことができます。
(4)今後は若年層にも予防接種プログラムを展開していきます。若年層の方はデジタル技術に慣れているため、個人宛の案内状送付は行わず、代替として2段階のプロセスを採用します。まず、対象となる方は、vaccine.gov.sgで直接登録していただきます。登録者には、オンラインで予防接種の予約ができるURLがSMSで送付されます(※SMSに記載されているリンクは,「vaccine.gov.sg」。gov.sgドメイン以外のURLは信用しないでください)。予防接種は、シンガポール国民および長期滞在者であれば誰でも無料で受けることができ、予約登録の際に支払いを求められることはありません。SMSを受信してから14日の間に予約が可能です。
(5)まずは45歳から59歳までの方を対象とします。この年齢層の方は全員がvaccine.gov.sg で予防接種の申し込みができます。予約可能な枠が整い次第、登録者にSMSを送信します。これは登録後数日以内に行われる予定ですが、タイミングはまちまちで、特にワクチンの配送スケジュールに遅れが生じた場合には、これよりも時間がかかる可能性があることを皆様にご理解いただきたいと思います。
(6)新型コロナウイルスから私たち自身、そしてシンガポールの人々を守るために、医学的に適格な年齢層の方には是非このオファーを受けていただきたいと思います。また、家族や友人にも、ワクチン接種の機会があれば接種を受けるようにお勧めください。
職場への出勤再開に伴う警戒の維持
(7)政労使協議会[Ministry of Manpower (MOM),National Trades Union Congress (NTUC),Singapore National Employers Federation (SNEF) で構成]は、新型コロナウイルスの感染リスクを抑制しつつ、企業と従業員がより柔軟に対応できるよう、職場での安全管理措置を見直しました。以下のとおり更新された要件は、2021年4月5日から実施されます。
より多くの従業員の出勤が可能に
(8)在宅勤務を通常とする状態から、より柔軟でハイブリッドな働き方へと移行します。事業者は引き続き、在宅勤務を継続することが推奨されますが、仕事や事業運営のため、より多くの従業員が職場に戻ることが認められます。特に出勤者の人数について、現在は在宅勤務が可能な従業員でも最大50%までは出勤させて良いとしていますが(法令では自宅勤務可能な場合には原則として自宅勤務をさせなければならないとされています)、これを75%までとします。また、従業員が職場に滞在する時間の上限も撤廃されます。
(9)事業者は、引き続き始業時間をずらし、可能な限り柔軟な労働時間を導入すべきです。これらの対策は職場での交流を減らし、職場やその近くの共有スペース、また公共交通機関を含む公共の場での混雑を減らすことで、感染リスクを低下に役立ちます。チームを分割して配置することは義務ではなくなりますが、企業は事業継続のためにこのような対応を継続することができます。職場間をまたいだ配置への制限は継続されます。
ソーシャルな集まりは8人まで
(10)事業者が企画する懇親会などのソーシャルな集まりやレクリエーションでの集まりは許可されますが、合計人数は8人以下に制限されます。
職場の安全を守るための注意喚起
(11)政労使協議会は、より多くの従業員が職場に戻ってくる中、事業者に警戒を怠らないよう促しています。事業者は共有スペースの定期的な清掃、安全な物理的距離の確保、マスクの常時着用など、現行の安全管理措置を継続して実施しなければなりません。職場関連のイベントを開催する際には、従業員や関係者の安全を確保するために、必要な安全距離と収容人数の制限を守るように注意してください。マスクを外したときの感染リスクが高いため、食事をイベントの目玉にしてはならず、企業は食事時間にイベントを開催することはできる限り避ける必要があります。 安全管理措置に従わない事業者に対しては、職場閉鎖を含めた処分があり得ます。事業者は、状況が変わりうることを承知する必要があり、もし新型コロナウイルスが再発するリスクが高まった場合、方針は変更され、職場でのより厳しい対策を再び導入する必要が生じます。
イベント前検査による各種活動の拡大
(12)2020年10月以降、より多くの活動が安全に再開できるように、保健省(MOH)は、検出されていない感染者がイベントに関与するリスクを低減するために、イベント前検査を試験的に開始しています。イベント前検査とは、イベントや活動に参加する人が、イベント会場または専用の検査施設やクリニックで、イベント参加の24時間前までに検査を受けるというものです。有効な検査の陰性結果を得た参加者のみがイベントに参加することができます。これにより、新型コロナウイルスに感染している人がイベント会場で他の人に感染させることを防ぐことができます。その後、企業間のイベント、結婚披露宴、ライブなど、さまざまな場面で試行的イベント前検査を実施しました。これらの経験から、保健省と検査業者は、これらの環境でイベント前検査を実施するための実現可能性と運用ワークフローを評価することができました。
(13)2021年4月24日より、参加者に対してイベント前の検査を実施する場合、以下の活動は、さらに規模を拡大することが認められます。各活動・分野の安全管理措置にあり、各イベント会場の収容上限は引き続き適用されます。
結婚式
人生の重要なイベントをより多くの人々が一緒に祝うことができるように、婚礼の儀式*の参加者数の上限は、各ゾーンの参加者数最大50人の下、イベント全体で100人から250人(新郎新婦を含み、 Licensed Solemniserと業者を除く)に引き上げられます。出席者が100名を超えるイベントでは、結婚式の新郎新婦に対してイベント前の検査が必要となります。出席者が100人以下の場合は、イベント前の検査は必要ありません。
※自宅での儀式や、市民およびイスラム教徒の結婚登録所(Registry of Civil and Muslim Marriages)の建物は小規模である傾向があるため除外。
結婚披露宴
同様に、結婚披露宴*の制限は、それぞれ50人までのゾーンまたは時間分割の下、イベント全体の出席者数100人から250人(新郎新婦を含み、業者を除く)に引き上げられます。披露宴では、食事の間にマスクを外したり、祝賀のために互いに長時間接近して接触したりするリスクが高いため、100人以上の出席者を伴う披露宴では、すべての出席者(結婚式のカップルを含む)に対してイベント前検査が必要となります。
※自宅および、結婚登録所(ROM/M)では実施できません。ホテル、レストラン、ファンクションルーム、コミュニティセンター/クラブ、HDBの共有スペースなどの外部会場では可能。
ライブ・パフォーマンス
指定された会場で行われるライブ・パフォーマンスは、イベント前検査を実施する場合は750人まで、イベント前検査を実施しない場合は250人までの参加者が認められます。The National Arts Councilは、ライブ・パフォーマンスにおける観客管理に関する最新のガイドラインを後日発表する予定です。
企業間イベントの試行(会議、カンファレンス、展示会など)
現在、シンガポール政府観光局(STB)が試験的に承認している企業間イベントでは、各グループ50人以下で計250人までを参加させることができます。イベント前検査が実施された場合、これらのイベントでは各グループ50人以下で計750人までの参加が許可されることになります。STBは、最新の安全なビジネスイベントの枠組みと申請の詳細を後ほど発表します。
試験的な観戦スポーツイベント(着席)
現在、SportSGが試験的に承認しているスポーツイベントの開催が許可されています。このパイロット版では、スポーツイベントは、イベント前検査を実施する場合は750人まで、検査を実施しない場合は250人までの観客を収容することができます。SportSGは、この試行プログラムの詳細を後日発表します。
(14)上記に加えて、2021年4月24日より、より多くの方に大切な方とのお別れをしていただくために、埋葬・火葬の日に限り、通夜・葬儀の一回の参列者の上限を30名から50名に変更します。その他の通夜・葬儀の日は、一度に参加できる人数の上限は30人のままとします。イベント前検査は必要なく、通夜・葬儀の期間中に多数の人が最後の敬意を払うために訪れる可能性があるため、参列者は安全な距離を保ち、拡散のリスクを減らすために常にマスクを着用するよう注意してください。
(15)2021年4月24日より、予防接種を完了し、十分な抗体を身につける時間を経た方(例:ファイザーまたはモデルナワクチンの2回目の接種から2週間を経過した方)は、イベント前検査を実施するイベントに、イベント前検査を受けることなく入場することができます。保健省(MOH)は、イベント前検査の実施を支援するための情報やツールをさらに公開する予定で、準備が整い次第、https://go.gov.sg/petで公開します。
より多くの活動が再開されても警戒を怠らず安全を確保
(16)より多くの活動を再開し規模を拡大しても、コミュニティの感染を抑制するためには、警戒を怠らず、自己満足に陥らないようにしなければなりません。一人一人が安全管理措置を守り、体調不良の際は医師の診察を受けて検査を受け、提供されたときにワクチンを接種する必要があります。ワクチンを接種した後も、ワクチンを受けていない人を守るために、すべての安全管理措置を遵守し、良好な衛生状態を維持する必要があります。国民の多くがワクチンを接種するようになれば、私たちはさらなる再開が期待でき、共にこの危機から徐々に強くなっていくことができるでしょう。