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100万ドル超の中古HDBフラット、購入者の横顔は

 シンガポールで売買額が100万Sドル(8,158万円)超の、中古HDBフラット(公営住宅)の取引が近年増加しているが、購入者で多いのは高額所得の共働き世帯だ。新築HDBフラットは購入から5年を経ないと転売できず、購入当初は10年住むつもりだったが、価格高騰を受け、入居5年で売り出した世帯もいる。
 
 初めて100万Sドル超の取引があったのは12年7月で、クイーンズタウンのフラット(床面積150平方メートル)だった。2戸目は同年10月で、ビシャンのメゾネットが101万Sドルで売買された。
 
 今年2月までに338戸の中古フラットが100万Sドル超で取引された。最高額は中心部カントンメント・ロードの「ピナクル@ダクストン」の5室の物件で125万8,000Sドル。
 
 中古HDBフラットを購入できるのは、世帯員の少なくとも一人が国民か、永住者が2人の世帯。所得制限はない。
 
 19年の取引戸数は64戸で、20年は82戸。今年は1~2月で36戸。中古HDBフラット市場全体から見れば0.3%とわずか。
 
 不動産アナリストによると、民間コンドミニアムでは100万Sドルで購入できる物件はHDBフラットより床面積も狭く、立地も不便。
 
 所有HDBフラットを売り出す人も増加しており、プロパティーグルのサイトには100万Sドル超の中古フラットが206戸掲載されている。別のサイトの99.coには223戸が掲載されている。