2021年4月2日
ITのDNex、半導体のシルテラ買収で契約
情報技術(IT)サービスを手掛けるダガン・ネクスチェンジ(DNex)は3月31日、半導体ファウンドリー(受託生産会社)、シルテラ・マレーシアの買収で株式売買契約を交わした。中国の民営半導体ファンドとの共同出資により、政府系投資会社のカザナ・ナショナルから2億7,300万リンギ(約72億8,000万円)で株式を買い取る。買収後は追加の資本注入で設備を刷新し、早期の業績回復を図る。
DNexは株式60%の取得に1億6,380万リンギを投入。残り40%は中国の盛世投資(CGPインベストメント)が出資する。両社はさらに、シルテラの増資を引き受けて計2億リンギを追加出資する計画。生産効率の引き上げや生産能力の拡大に向けた設備更新などを進める。
世界的に半導体不足が問題となる中、買収後は新規顧客の開拓にも力を入れ、工場の稼働率を高める。また、政府系機関との連携による研究開発(R&D)に力を入れ、技術力を引き上げたい考え。パワー半導体や、IoT(モノのインターネット)向け製品など新分野への進出を加速する。
シルテラは1995年設立。ケダ州クリムに工場を構える。2019年の売上高は3億9,651万リンギ、税引き後の損益は1億7,214万リンギの赤字。業績低迷が続き、同年末時点で債務超過額が5億7,458万リンギに膨らんでいた。カザナが実施した売却入札には、国内外の複数企業が名乗りを挙げていた。
(提供:亜州ビジネスASEAN)