2021年5月17日
半導体業界が活動制限に懸念、「供給不足に悪影響」
マレーシア政府は5月12日、新型コロナウイルスの感染抑制対策として、改めて全国に活動制限令(MCO)を発令した。物流に一定の制限が見込まれ、半導体の世界的な供給不足にさらなる悪影響を与えるとの懸念が業界関係者から出ている。中国・国際電子商情が13日報じた。
MCOでは州をまたいだ移動が禁止されるが、経済活動は除外対象となる。しかし、企業は従業員を在宅で勤務させることを求められ、出勤が認められるのは最大で30%の管理職者にとどまる。トラックやビジネス用車両の乗員も制限されており、製品の輸出入や通関の速度への影響が懸念される。
マレーシアは世界の半導体産業において、パッケージング・テスティング(封止・検査)の13%を一国で担う。業界企業は50社に上り、世界的大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、NXPセミコンダクターズ、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)、インフィニオン・テクノロジーズ、STマイクロエレクトロニクス、インテル、ルネサス・エレクトロニクスなどが封止・検査または製造工場を置いている。
マレーシアは受動部品の重要生産拠点でもある。レジスタの華新科技(ウォルシン・テクノロジー)、旺詮(ラレク)、インダクター・積層セラミックコンデンサー(MLCC)の村田製作所、アルミ電解コンデンサーのニチコン、日本ケミコン、固体電解コンデンサーのパナソニックなどが工場を設置している。昨年3月のMCOでは、これら受動部品メーカーが2週間の操業停止を求められ、関連業界に比較的大きな影響が出た。
(提供:亜州ビジネスASEAN)