2021年12月7日
オミクロンPCRキット、国産バイオテック企業が発売
バイオアキュメン・グローバル社は、シンガポールで初めてオミクロンに特化したCovid-19ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)キットを発売した。
新しいバイオAオミクロン検出キットは、コロナウイルスの従来の変異型に加えて、オミクロンの変異型を特異的に検出することができるという。つまり、検査者は、「Covid-19陽性かつオミクロン陽性」、「Covid-19陽性かつオミクロン陰性」、「Covid-19およびオミクロン陰性」の3つの結果のうちの1つを受け取ることができる。
現在、オミクロンを検出できるPCRキットでは、特定のバリアントを確認するために、追加の遺伝子配列決定のステップが必要で、これにはさらに1日かかる。
今回のテストキットは、オミクロン変異体を特異的に検出・同定することができるため、検査工程を短縮することができる。
PCR検査の結果は、綿棒での採取、物流、検査結果のアップロードにかかる時間を考慮すると、通常、数時間から1日程度かかる。これには、必要に応じて追加の遺伝子配列決定に必要な時間は含まれていない。
医療技術企業のAcumen Diagnostics社やバイオテクノロジー企業のMiRXES社が現在使用しているPCRキットの中には、デルタ株とオミクロン株の両方を検出できるものがあるが、陽性の症例がオミクロンに感染しているかどうかを確認するには、遺伝子配列の決定が必要である。
バイオA社のオミクロン検査は、凍結乾燥されているため、他の「ウェット」PCR検査キットとは異なり、冷蔵保存の必要がないという利点がある。これにより、保管や輸送の要件が簡素化され、キットを室温で1年ほど保存することができる。
凍結乾燥したオミクロン特異的PCRキットの使用方法は簡単で、あらかじめ混合された成分のビーズに綿棒サンプルを加え、その混合物をPCR装置に通す。結果は、綿棒を採取してから約90分後に出るという。
世界的にオミクロンの感染者が増加しており、科学者たちはデルタ型よりも感染力が強いと考えているため、シンガポールでも国境や地域でより多くの感染者が検出されることが予想される。
このキットは、オミクロンを検出できる利便性とスピードを備えているため、バイオアキュメン・グローバル社では、このキットが入国審査などで採用されることを期待している。