2022年5月25日
シンガポールの旅行業界は急速に回復、長期的な成長を維持
S・イスワラン運輸相は5月23日(月)、シンガポールの観光産業には、消費者の旅行需要の高まりから長期的な成長の可能性が残されていると語った。
イスワラン大臣は、ダボスで開催された世界経済フォーラム会議のパネルセッションで、チャンギ空港の旅客輸送量はすでに、大流行前のほぼ50%にまで回復している。これは当局の予測をはるかに上回るスピードである。これは、成長の勢いが強くなっているため、期待値を再調整する必要があることを意味するが、マンパワーの問題やリソースの制約が、さらに大きな問題となる。というのも、「生産能力を50%アップする」といっても、ただスイッチを入れるだけではなく、人を呼び戻し、トレーニングを受けさせ、プロセスを稼動させなければならない。その結果、シンガポールでは、キャパシティ・ニーズに確実に対応する必要がある。世界中の空港で運用ニーズが急増し、システムがそれに追いついていない。このことは、さまざまな空港で起きている危機を見れば明らかであるという。
また、デジタル技術の活用は、この点で、よりシームレスな接続性を実現する鍵となる。保健当局や世界保健機関(WHO)と協力して、完全なワクチン接種とは何か、その他の要件がある場合はどのようなものかを標準的に定義し、デジタル技術を活用して相互承認を行うこと。これは現在だけでなく、将来的にも有効である。シンガポール政府はこの機会にパンデミックの教訓を振り返り、今後の計画に反映させようとしている。例えば、チャンギ空港の第5ターミナルは、今後2〜3年で工事を再開する予定だが、空港のオペレーションをよりモジュール化し、必要に応じて異なるオペレーションモードに素早く切り替えられるようにする予定で、サステナビリティ(持続可能性)も考慮されるとイスワラン大臣は述べた。
3月、チャンギ空港の月間旅客数は2年ぶりに100万人の大台に乗った。チャンギ空港グループ(CAG)は先週、民間航空部門の回復が続いていることから、空港全体で6,600人以上の雇用が確保されていると発表した。
2020年5月からアップグレード工事のために閉鎖されているチャンギ空港第2ターミナルは、今後数ヵ月間の乗客数の「予想増加」に対応するため、5月29日(日)から段階的に再開される予定という。2024年までにアップグレード工事が完了すると、この拡張工事によってターミナルの処理能力は500万人上がり、年間2,800万人の旅客移動が可能になる。