2022年9月8日
製造業の景況感、上期に改善も先行きは悲観
マレーシア製造業者連盟(FMM)とマレーシア経済研究所(MIER)は9月6日、最新の製造業景況感調査の結果を発表した。経営実績を示す事業活動指数は2022年上半期に109となり、前回(21年下半期)の107から2ポイント上昇。新型コロナウイルス対策の規制が緩和され、また世界経済回復で需要が増える中、好不調の分水嶺である100を上回った。一方、世界的な物価高騰で景気後退が予想される中、先行きは「悲観圏」に転落している。
国内で操業する794社を対象として7月9日から8月12日に調査を行った。事業活動指数の構成項目をみると、国内販売は99(前回94)と上昇した一方、輸出は91(同96)に低下した。国内販売がそれまでの半年に比べて増えたと答えた企業は28%で、前回から横ばい。一方で減ったと答えた企業の割合は34%から29%に低下した。輸出を手がける企業では、それまでの半年に比べて輸出が増えたと答えた企業が28%で、前回の29%に比べ割合が減った。
生産高指数は102(前回105)に低下。それまでの半年に比べて生産を増やしたと答えた企業は35%で、前回に比べ1ポイント低下した。一方で生産コストは上昇。指数は182となり、調査が始まった12年上半期以降の最高を更新した。
設備投資指数は109(前回105)に上昇。22年上半期に設備投資を増やしたと答えた企業は28%で、前回の25%から割合が増えた。
先行き見通しは悪化
向こう半年の事業先行きに関する指数は94で、前回の122から大きく低下。全ての個別項目で前回の指数を下回った。
個別にみると、国内販売は90(前回113)、輸出は89(同111)、生産は98(122)と悲観圏へ転落。世界的な物価高騰や、これを受けた金融正常化により、経済活動や貿易が鈍化するとみている。設備投資は113(125)、雇用は117(121)と楽観圏にとどまるものの前回から下がっている。
先行きについては不安要素が多く挙げられた。最も多かったのは「原料価格上昇」で、これに「賃金上昇」「労働者不足」「輸送費上昇」「リンギ安」が続いている。
(提供:亜州ビジネスASEAN)