第10代首相に選出されたアンワル・イブラヒム首相は11月24日、就任後初の会見を開き、憲法に明記されている公的宗教としてのイスラム教の位置づけやマレー語の公用語としての特別な位置づけ、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)の地位、統治者の地位などを保証しつつ、民族や宗教に関係なくすべてのマレーシア国民の権利を保証することを約束した。
アンワル首相は、政策の焦点を経済に置いているとした上で、貧困者の福祉が守られるよう経済回復に必要な措置をとっていくと強調。大連立政権は、総選挙で82議席を獲得して首位となった自身が率いる与党・希望同盟(PH)と30議席を獲得し第三勢力となった国民戦線(BN)、23議席を獲得し第四勢力となったサラワク政党連合(GPS)で組織するが、他の政党もすでに協力する意思を示していると述べ、良好なガバナンスや反汚職、すべてのマレーシア人のためのマレーシアという原則に従うことを条件にすべての人々を受け入れると表明した。
12月の初国会で自身への信任投票を実施
また73議席を獲得し第二勢力となった国民同盟(PN)を率いるムヒディン・ヤシン元首相がアンワル政権の正統性に疑義を申し立てていることについて、12月19日の開会を予定している初国会で、自身に対する信任投票に応じる考えを表明。支持を表明している下院(定数222)議員が過半数を上回る130ー140人に上っていると自信をみせた。
ムヒディン氏は自身への支持がアブドラ国王が名簿提出期限を延長する前にすでに過半数を超える115人に上っていたと主張。改めて国会で信任投票に応じるようアンワル氏に求めていた。
副首相2人、東マレーシアからも起用
閣僚人事については、東マレーシアで最大のGPSの協力が欠かせないとして、副首相に半島部と東マレーシアから1人ずつ指名する考えを示した。
前イスマイル政権で国会に提出されたまま宙に浮いている来年度予算案については、新たな予算案もしくは修正した予算案を年明けにも再提出する考えを示した。
アンワル首相はこのほか、11月28日(月)を休日とすると発表した。
岸田文雄首相は25日、アンワル首相に対して祝意を表する書簡を発出した。
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