保健省のノール・ヒシャム事務次官は、1月8日以降にマレーシアに入国した中国からの旅行者が4,096人に上るが、新型コロナウイルス「Covid-19」感染は確認されなかったとした上で、出入国管理局が入国地点に中国からの旅行者向けの特別レーンを開設すると明らかにした。
マレーシア政府は、中国から到着した旅行者に限らず、サーマルカメラで発熱などの症状が確認された者、自己申告した者に対しては、RTK抗原検査を実施するとしている。
保健省は航空機内などリスクの高い場所の排水から無作為に採取したサンプルを用いた検査を行っているが、ウイルスが検出されるケースはひと月あたり3ー4件程度で、すべてがすでにマレーシアに入っているタイプであり、米国で猛威を振るっている「オミクロンXBB.1.5」などの新たな変異種は確認されていないという。ザリハ・ムスタファ保健相は先ごろ、中国からのすべての便の排水サンプルでウイルス検査を行うと言明していた。
現段階でSOP強化はせず
ノール事務次官は「我々は中国だけでなく、米国、日本など新規感染者が増加している国について心配しており、状況を注意深く監視している」と言明。ただマレーシア国内で新規感染件数は減少傾向にあり、入院を必要とする患者は先週時点で2%減少しているとし、現段階で標準的運用手順(SOP)を見直す考えのないことを明らかにした。
ノール氏はSOP強化に当たり、▽ハイリスクグループ以外でのコロナ関連死者数増加▽マレーシア周辺国での感染者増加▽国内の公的医療機関の逼迫状況▽中国からの持ち込み数の増加▽中国からの新たな変異種の持ち込みーーなど7つの基準を挙げている。
(提供:ASIA INFONET.COM)