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2月の物価上昇6.3%、ガソリンが2年ぶり低下

 シンガポール統計局が3月23日発表した2023年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で6.3%となり、前月を0.3ポイント下回った。
 
 伸び減速は2ヵ月ぶり。原油価格が低下する中でガソリン(マイナス0.2%)が21年2月以来、2年ぶりに前年を割り込み、指数全体を押し下げた。民間道路輸送(12.1%)と住居(4.9%)を除くコア指数の上昇率は前月から横ばいの5.5%で、約14年ぶりの高水準を維持した。
 
 民間道路輸送ではガソリンがマイナスだったほか、車両購入権(COE)発行枠の縮小で大幅な値上がりが続く自動車(16.0%)が前月から鈍化した。ただ、バイク(9.1%)は4ヵ月ぶりに伸びが拡大した。他の項目では、前月まで11ヵ月連続で加速していた食品(8.1%)が横ばい。パン(8.9%)や魚介類(8.5%)が前月を上回ったものの、家きん肉(35.5%)や卵(22.8%)が高水準ながら減速した。
 
 シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は、23年の上昇率予測をCPIが5.5〜6.5%、コア指数が3.5〜4.5%とし、前月から据え置いた。年初の消費税(GST)増税が指数を1.0ポイント押し上げるとの見方で、増税分を除けばそれぞれ4.5〜5.5%、2.5〜3.5%となる。
 
 今後の動向については、輸入品価格や労賃の上昇が続き、企業がコスト転嫁を進める中で、コア指数の上昇率が3月も5%を超えると予測。下半期に入るまでは明確な減速を見込めないとしている。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN