2023年5月15日
第1四半期の経済成長率5.6%に鈍化、輸出が落ち込む
マレーシア中央銀行は5月12日、2023年第1四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比5.6%だったと発表した。前四半期の7.1%から伸びが鈍化。個人消費が堅調ながらも前四半期からは減速したほか、これまで資源高や電子製品の好調で大きく伸びていた輸出がマイナス成長となった。季節調整済み前四半期比の成長率は0.9%と、2四半期ぶりのプラスに転じた。
第1四半期はGDPの6割を占める個人消費の成長率が前年同期比で5.9%と、雇用の改善を背景に比較的高い伸びを維持した。ただ、前四半期の7.3%は下回った。輸出はマイナス3.3%と、20年第4四半期以来の減少。観光業の回復でサービス輸出が拡大する一方、物品輸出が低調だった。ほか、民間投資は4.7%と、22年第3〜4四半期の2桁成長からは失速した。
成長率を産業別にみると、5部門すべてがプラス成長ながら伸びが鈍化。製造業は3.2%と、21年第4四半期以降で最も低い伸びだった。建設業は7.4%となり、5部門で最も高い伸び。大型のインフラ事業が寄与した。サービス業は7.3%だった。
中銀は23年通期の成長率を4.0〜5.0%と予測。今後も内需がけん引すると見込む。ただ、海外経済が予想以上に弱く、輸出の低迷が下振れリスクになり得るとみている。
(提供:亜州ビジネスASEAN)