5月16日(火)、シンガポール航空(SIA)グループは、3年連続の赤字から一転して、21億6,000万Sドル(約2,190億円)という過去最高の年間利益を計上した。
SIAは、航空旅行への強い需要が収益、運営利益、乗客搭載率を押し上げたと述べている。
SIAグループの最新の営業成績によると、グループの旅客数は、3月末時点でCOVID-19以前のレベルの79%に達した。
同社の2つの航空会社であるSIAとスクートは、合計2,650万人の乗客が利用した。これは前年比6倍となり、旅客ロードファクターは55.3ポイント増の85.4%で、当社史上最高となった。
貨物部門もCOVID-19の流行により、航空貨物の需要が減少していたが、業績は前年同期に比べ緩やかになっている。マクロ経済の逆風が消費者需要を減退させ、高水準の在庫が新規受注の鈍化につながったと、同グループは述べている。
SIAの取締役会は、2022/23年度の最終配当を1株当たり28セントとすることを推奨した。2022年12月22日に支払われた1株当たり10セントの中間配当を合わせると、2022/23年度の配当は1株当たり38セントとなる。
SIAは、需要の動向を監視し、需要に応じて航空会社の運航能力を調整すると述べ、2023/24年度第1四半期は、東アジアの航空旅行の回復に支えられ、需要は引き続き堅調であると指摘した。
中国、日本、韓国への予約の力強い回復に牽引され、すべての客室クラスで前売りは健全に推移しているという。
しかし、地政学的・マクロ経済的な不確実性や高コストインフレが、今後数ヵ月間、航空業界にとって課題となる可能性があると警告している。
3月末現在、同グループは36ヵ国・地域の109都市に就航している。SIAは74都市に就航し、格安航空会社スクートは58都市に就航している。貨物ネットワークは38の国と地域、118の目的地をカバーしている。
燃料価格はここ数ヵ月で落ち着いたが、依然として高い水準にある。
SIAグループは、国際線により多くの運航能力が導入されることで、競争が激化することが予想されるので、グループは動向を注視し、素早く柔軟に対応していくと述べている。