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シンガポール映画監督ネルソン・ヨウの「Dreaming & Dying」、ロカルノ国際映画祭で初の長編映画部門で2つの賞を受賞

 シンガポールの映画監督、ネルソン・ヨーのデビュー作『Dreaming & Dying』が、ロカルノ映画祭で2つの賞を受賞した。
 
 この映画は、スイスの名門映画祭であるロカルノ国際映画祭で8月2日から先週の土曜日まで開催され、コヴェテッド・フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼント部門のゴールデン・レオパルド賞(Pardo d’oro Cineasti del presente)とスウォッチ・ファースト・フィーチャー・アワード(最優秀初長編映画賞)を受賞した。
 
 映画祭のCineasti del presente部門で、東南アジアの映画とシンガポールの監督が両方のトップ賞を受賞した初めての事例だという。
 
 コンコルソ・シネアスト・デル・プレゼンテ部門は、ワールドプレミアを中心に、世界的に活躍する若手監督の長編1、2作目を上映する。
 
 『Dreaming』は、休暇中の中年の友人3人が久しぶりに再会するファンタジードラマ。彼らの過去が表面化し、事態は一転する。
 
 主演は、『Straits Times Life Theatre Awards』受賞者のドリーン・トー、テレビや映画で活躍するベテラン俳優のピーター・ユー、俳優のケルビン・ホーで、シンガポール出身の新進気鋭の撮影監督リンカーン・ヨーが撮影を担当した。
 
 ユーとホーはともに、ロカルノの最高賞である金豹賞を受賞したヨウ・シュウホア(ネルソン・ヨウとは無関係)が脚本・監督を務めたドラマ『A Land Imagined』(2018年)に出演していた。
 
 私の初の長編映画『Dreaming & Dying』を携えてロカルノ映画祭に戻り、この名誉ある賞を受賞し、私たちの映画を高く評価し愛してくれる観客の前で上映できることは、本当に素晴らしい経験ですと、本作の脚本家でもあるネルソン・ヨウはプレス声明で述べた。
 
 ヨウの短編映画作品には、ゴールデン・ガー国際映画祭で最優秀実験短編賞を受賞した『Mary, Mary, So Contrary』(2019)、バンコク・アセアン映画祭で最優秀アセアン短編賞、シンガポール国際映画祭で最優秀シンガポール短編賞を受賞した『Here Is Not There』(2020)などがある。
 
 また最近では、『Plastic Sonata』(2022年)がSeaShorts Film FestivalでCathayPlay最優秀中国短編映画賞を受賞している。
 
 『Dreaming』はシンガポールを拠点とするMomo Film Coが製作し、タン・シーエンとソフィア・シムがプロデューサーを務める。
 
 タンのプロデュース作品には、アンソニー・チェン監督作品2本、長編ドラマ『Wet Season』(2019)と、アンソロジー『The Year Of The Everlasting Storm』(2021)の一部として公開された短編映画『The Break Away』がある。