2023年10月24日
9月の物価上昇率4.1%、5ヵ月ぶり加速
シンガポール統計局が23日発表した2023年9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で4.1%だった。前月を0.1ポイント上り、5カ月ぶりに加速。自動車やガソリンの値上がりが指数を押し上げた。両品目など民間道路輸送(8.5%)と住居(4.3%)を除くコア指数の上昇率は、前月を0.4ポイント下回る3.0%と、5カ月連続で鈍化した。
車両購入権(COE)の値上がりが続いており、自動車(10.9%)は2桁の上昇。また、足元で原油価格が上昇する中、ガソリン(4.0%)は7カ月ぶりのプラスとなった。一方、食品(4.3%)は6カ月連続で鈍化。野菜(マイナス0.4%)が19年1月以来のマイナスとなったほか、小麦粉や肉類などの伸びが縮小した。
MASと貿易産業省は、輸入インフレが収まり、労賃の上昇ペースも緩和していると指摘。コア指数は今後も減速が続き、10~12月は上昇率が2.5~3.0%で推移すると予測した。24年に入っても、増税の影響はあるものの、鈍化傾向が続くと見込む。また、24年は車両購入権の供給増で自動車価格も伸びが縮小するとみている。
23年の上昇率予測はCPIが5%前後、コア指数が4%前後とし、前月から予測の範囲を狭めた。24年はそれぞれ3.0~4.0%、2.5~3.5%の見通し。消費税(GST)増税の影響を除くと、2.5~3.5%、1.5~2.5%となる。
(提供:亜州ビジネスASEAN)