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日系企業・社会

2024年6月20日

日本の共同事業体がクロスアイランドラインのトンネル建設契約を受注

 シンガポール陸上交通庁(LTA)は6月19日、クロスアイランド線(CRL)第2期工事として、ウェストコーストとジュロン湖地区を結ぶ深さ40mのMRTトンネルの設計と建設を、日本の西松建設と奥村組シンガポール支店の合弁会社に2億4,200万Sドルで発注した。
 
 このトンネルは長さ2.4kmで、スンゲイ・パンダン運河やウェストコースト・ハイウェイ、アヤラジャ・エクスプレスウェイの地下を通る。工事は2024年第4四半期に開始予定という。
 
 LTAによると、この地域の地盤は風化した土壌と硬い堆積岩で構成されており、トンネルの深さは通常のMRT駅の30mを超える。掘削工事中はリアルタイムでモニタリングを行い、安全対策を実施し、地盤の安定性を確保しながら近隣の関係者やインフラへの影響を最小限に抑える措置が取られる。
 
 西松建設は現在、CRL第1期工事としてタンピネス・ノース駅とダーフー駅間のトンネルを建設中であり、過去にはサークルライン6号線延伸工事やトムソン-イーストコーストラインのトンネル工事も行っている。奥村組も国営水道局PUBの大深度トンネル下水道や台北のMRT空港線など、国内外で豊富なトンネル工事の経験を有している。
 
 CRLはシンガポールで8番目のMRT路線となり、東部、西部、北東部を結ぶ。2019年に発表された第1期は、チャンギのアビエーション・パークからシンミンのブライト・ヒルまでの12駅、29kmにわたり、2030年までに完成する予定である。第2期は、ターフ・シティからジュロン・レイク地区までの15kmで、2032年に完成予定である。
 
 さらに、CRL第2期工事では、生態系への影響を最小限に抑えるため、セントラル・キャッチメント自然保護区の下を深さ70mでトンネル掘削する。第3期のエンジニアリング・スタディも進行中で、ジュロンとトゥアスを結ぶ区間には少なくとも4つの駅が設置される予定という。

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