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社会

2024年7月9日

世界の補聴器の7台に1台はシンガポール製

 世界中で使われている補聴器の約7台に1台は、世界最大の補聴器供給会社であるWSオーディオロジーの地域本部があるシンガポールのタイセン通りで製造されている。
 
 WSオーディオロジーのアジア太平洋地域の社長であるオリヴィエ・シュパン氏は、「WSオーディオロジーのシンガポール拠点は、当社の世界的な製造および流通ネットワークの基盤である。シンガポール施設では、当社が販売する補聴器の半分以上が製造されている」と述べた。
 
 同社のシンガポール拠点では、製品のイノベーション、自動化、デジタル化が推進されており、今日では何百万人もの人々がここで開発・製造された補聴器を使用している。
 
 シンガポールの200人強の研究開発チームは、2016年に世界初の非接触リチウムイオン充電式補聴器を開発し、2020年には世界初のポータブルQi充電器を発表した。チームは、より良い、より小型で長持ちする補聴器の開発に取り組んでいる。
 
 例えば、Styletto補聴器には、外出先で4日間のリスニングを提供するポータブル充電器があり、30分のクイック充電でさらに5時間の使用が可能という。また、アプリやソフトウェアの開発、プロトタイピング、検証、信頼性試験も行っている。
 
 WSオーディオロジーは2019年にデンマークのWidexと、ドイツのシーメンスの元事業部門であるSivantosが合併して設立された。シンガポールの他に、シカゴとスウェーデンにもオーディオロジー研究所を持ち、2026年にはシンガポールにも新たな研究所が開設される予定である。
 
 同社は年間600万台以上の補聴器を販売しており、そのうちの半分以上がシンガポールで製造されている。2022/2023年度の収益は25億EUR(約36億Sドル)で、売上高では世界一位、収益では三位でという。
 
 世界人口の高齢化に伴い、補聴器の需要は今後大幅に増加すると予想されている。2023年にはシンガポールでも補聴器の需要が増加しており、政府の補助金を利用する高齢者の数が増加している。
 
 WSオーディオロジーのセールスディレクターであるエイプリル・チョン氏は、「早期介入は脳が増幅された音に徐々に慣れるのを助け、適応プロセスをより効果的にする。重度の難聴になる前に補聴器を使用し始めることが重要である」と述べている。

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