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社会

2024年7月16日

2023年の結婚数が減少、パンデミック後の結婚ブーム終了

 シンガポールでは、パンデミック後の結婚ブームが終了し、2023年の結婚数が減少した。2023年には2万8,310組のカップルが結婚し、2022年の2万9,389組から3.7%減少した。このデータは、7月15日に社会および社会家族開発省(MSF)が発表した初の「家庭動向報告書」に含まれているという。
 
 MSFのマサゴス・ズルキフリ大臣は、報告書の発表イベントで「シンガポールは全てのライフステージにおいて家族にとって良い場所である」と述べた。また、「2023年には2万8,000件以上の結婚が登録され、これは10年前よりも2,000件以上多い」と指摘し、結婚数の5年移動平均が安定していると強調した。
 
 2022年の結婚数の急増は、COVID-19パンデミックによる制限が緩和または解除されたことによるもので、多くのカップルが結婚を延期していたことが背景にあるが、2023年にはその反動で結婚数が減少した。
 
 報告書はまた、過去10年間で結婚している男性と女性の割合が減少し、独身者の割合が増加していることを示している。25歳から49歳の男性の独身率は2013年の31.2%から2023年には35.4%に増加し、女性では同期間で25.1%から28.7%に増加した。
 
 さらに、シンガポールの総出生率は2023年に歴史的低水準の0.97に達し、子供を持たないもしくは、1人しか持たない女性の割合が増加している。40歳から49歳の女性のうち、2013年には10%が子供を持たず、2023年には13.9%に増加し、1人の子供を持つ割合も同期間で20.8%から23.8%に増加した。
 
 政策研究所のマシュー・マシューズ博士は、カップルが結婚や出産を遅らせる傾向にあり、これが出生数の減少につながっていると指摘した。また、若い世代は自己成長に焦点を当てており、結婚や出産の優先順位が低くなっていると述べた。
 
 一方、近年結婚したカップルの間では離婚率が低下し、結婚の安定性が増していることも報告されている。結婚カウンセラーによると、結婚生活を支えるためのプログラムやカウンセリングの利用が増えていることが要因とされている。

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