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社会

2024年7月25日

激しい乱気流に遭遇したSIA機、試験飛行を経て運航再開へ

 5月21日に激しい乱気流に遭遇し、1人が死亡、数十人が負傷したシンガポール航空(SIA)の飛行機が、運航再開に向けてテスト飛行を行った。
 
 7月23日、ボーイング777-300ER型機は、フライト追跡ウェブサイトFlightRadar24のデータによれば、2ヵ月ぶりにシンガポールからバンコクへ戻った後の初飛行となる機能確認飛行を完了した。
 
 SIAのスポークスマンは、このフライトが商業運航に戻る準備の一環であると述べた。機能確認飛行は通常、重整備後の航空機に対して行われ、機能が正常であることを確認するためのものという。
 
 FlightRadar24によれば、この飛行機は午後1時50分頃にチャンギ空港を離陸し、約400km東方へ飛行した。その後、インドネシアのカリマンタン付近の海域で何度か旋回し、午後4時頃にシンガポールへ戻った。
 
 SIAは、パイロットと航空会社の技術者チームが同乗してこの機能確認飛行を行ったと発表した。また、SIAは安全を最優先し、航空機が運航準備が整ったと判断された後にのみサービスに戻ると強調した。
 
 この16歳の飛行機のキャビンの修理は完了しており、5月21日のロンドンからシンガポールへのフライトSQ321がミャンマー上空で突然の極度の乱気流に遭遇した際、キャビンの天井パネルが損傷し、内部のチューブが露出して垂れ下がった映像や画像がオンラインで広まった。
 
 当時、211人の乗客と18人の乗員が搭乗していたこの飛行機は、バンコクのスワンナプーム空港に緊急着陸した。イギリス人乗客のジェフリー・キッチン氏(73歳)は心臓発作の疑いで死亡し、他にも多くの乗客が重傷を負い、バンコクの病院で治療を受けた。
 
 SIAの最新の発表によれば、2人の乗客が現在もバンコクの病院で治療を受けており、プライバシーのため詳細は明かされていない。
 
 6月10日、SIAは乗客に対する補償の提供を開始し、軽傷の乗客には1万USドル(約1万3,500Sドル)、重傷の乗客には2万5,000USドルの前払い金を提案した。プライバシーの関係で、何人がこの提案を受け入れたか、これまでに支払われた補償金額は明かされていない。
 
 また、SIAは乗員の状況についても機密性を理由にコメントを控えたが、乗客や乗員に対して必要な支援と援助を提供すると約束した。

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