2024年7月29日
オーチャード駅下でMRTラインを結ぶ
オーチャードの二つのMRT駅を結ぶ154mの地下道建設は、既存の南北線(NSL)トンネルとの距離がわずか3mという厳しい条件下で行われた。地下道は、オーチャードのNSL駅の基礎を削りながら設置された。
このプロジェクトを担当したエーコン・シンガポールの交通部門エグゼクティブディレクター、リム・スーン・ヒー氏は、計画から完成まで約8年を要し、そのうち2年は予備設計に費やされたと述べた。建設は2014年2月から2022年6月まで続いたが、工事中もNSLの列車運行は途切れることなく行われた。
まず、チームはオーチャード・ブールバードの地下に、相互に組み合わされた鋼管とフレームからなる逆U字型の屋根を設置した。これにより、路面を掘り起こすことなく、地下道を掘削することが可能となった。
次に、NSL駅の一部の基礎杭を切断する必要があったため、代替の支持構造を地下に構築した。この工程は、約5年の期間をかけて慎重に行われた。
このプロジェクトにおけるリム氏の取り組みは高く評価され、2024年に建設庁(BCA)からデザインとエンジニアリングの安全賞が授与される予定という。また、シンガポールでは初めて、リトラクタブルマイクロトンネルボーリングマシンが使用された。
この地下道の工事は、2022年11月にオーチャードTEL駅の開業と共に完了した。リム氏は、他の受賞者と共に、シンガポールの都市開発と鉄道運行の両立を実現するための努力が評価されている。