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シンガポール、障害者支援のための交通インフラを強化

 シンガポールは、障害者(PWD)を支援するための交通インフラを大幅に改善し、アクセスの向上と地域社会への参加を促進している。9月16日に社会・家族開発省(MSF)が発表したところによると、7月時点で1,700台のバスに車椅子スペースが2つずつ設けられ、視覚障害者向けに次のバス停を音声で案内する機能や、プライオリティシートが追加された。
 
 また、バス内の縦の手すりには、視認性を高めるための黄色いスリーブが設置されている。これらの機能は、今後導入される新しいバスにも順次搭載される予定という。現在、バリアフリー化されているバス停は全体の98%で、残りも2025年までにバリアフリー化が完了する見込みという。
 
 これらの取り組みは、障害者が社会に貢献できるようにするための「Enabling Masterplan 2030」に基づくものである。2030年までに、より思いやりのある包括的な社会を目指し、障害者の雇用機会の拡大や地域生活モデルの開発を含む目標が設定されている。
 
 歩行者用の信号機も改良されており、7月時点で1,000カ所以上の横断歩道に「グリーンマン・プラス」が導入され、障害者には最大13秒の追加時間が与えられる。2027年までにさらに1,500カ所の横断歩道がこの機能を備える予定という。
 
 現在、すべての公共バスと列車は車椅子対応で、駅やバスターミナルにもバリアフリーのアクセスルートが整備されている。視覚障害者向けの点字ブロックや、聴覚障害者向けの補聴システムも一部の駅に設置され、公共交通機関を誰もが利用しやすい環境にするための努力が続けられている。