シンガポールの資産管理セクターが活況を呈し、富裕層によって設立されたシングルファミリーオフィス(SFO)が急増している。2023年末の1,400件からさらに250件増加し、2024年8月末には1,650件に達した。2024年には、2023年の増加数である300件を上回る成長が予想されている。
シングルファミリーオフィスとは、特定の家族の資産のみを管理するオフィスのことを指し、シンガポールでは2020年には400件だったものが急速に増加している。2023年には、シンガポール全体の運用資産(AUM)が10%増加し、5.41兆Sドルに達した。
この急成長の要因として、シンガポールの法制度の安定性や規制の厳格さ、安全で家族向けの環境、教育や医療制度の充実などが挙げられる。政府は今後もファミリーオフィスの設立支援を強化し、税制面でもさらに迅速な手続きが可能になるよう取り組んでいる。
シンガポールにはすでに複数のプライベートマーケットプラットフォームが設立されており、現地企業とファミリーオフィスをつなぐ取り組みが進んでいる。さらに、フィランソロピーやインパクト投資を促進するための新たなプログラムも展開され、今後も富裕層による資産管理と社会貢献が期待されているという。