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2025年からシンガポール全世帯で大型電子機器廃棄物の無料回収サービス開始

 2025年より、シンガポール全世帯で冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの大型電子機器廃棄物(e-waste)が無料で自宅から回収されるようになる。エイミー・コー上級国務大臣(持続可能性・環境担当)が10月13日に発表した。
 
 廃棄物管理会社アルバ・グループがこのサービスを提供し、e-wasteのリサイクルをより便利にすることを目指している。これまで、アルバは大型e-wasteの回収に40Sドルの料金を課していたが、2025年1月1日から無料化される。ただし、週末や緊急回収には例外的に料金がかかる場合がある。
 
 シンガポールでは2021年に「拡大生産者責任制度」が導入され、電子製品の製造業者や小売業者に、使用済み製品のリサイクル義務が課されている。コー氏によれば、e-wasteの回収量は2022年2月の3,500tから2024年9月には2万2,300t以上に増加したが、まだ十分ではないという。
 
 シンガポールは年間約6万tのe-wasteを排出しており、アルバのCEOであるヤコブ・ラムズドルフ氏は、2025年までにリサイクル率をさらに20%以上向上させる目標を掲げている。また、シンガポール全土のe-waste回収ポイントは2021年7月の300ヵ所に増えている。
 
 適切なリサイクルにより、環境汚染や健康被害のリスクを軽減し、貴重な資源の再利用が可能になるとされている。また、データセキュリティに対する懸念に対し、シンガポールでは回収されたデバイスはライセンスを持つリサイクラーで安全にデータ消去が行われるとコー氏は強調した。