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シンガポール農場、30 by 30計画を推進するため国際協力を強化

 シンガポールの農業技術企業「トマトタウン」の共同創設者ウェブスター・タム氏は、日本の食品企業との協力を通じて、シンガポールの気候に適した日本産チェリートマトや伝統品種のトマトを栽培しようとしている。日本企業の栽培技術と、暑さに強い特別な種を活用することで、シンガポールの熱帯気候でも収穫できるトマトの生産を目指している。
 
 「消費者の嗜好は高品質なトマトに向かっており、これらのトマトは市場ではあまり手に入らず、主にヨーロッパやオーストラリアから輸入されている」とタム氏は語る。コスト圧力や国内需要の不足という課題があるものの、地元の農場は国際協力を進めることで新たな成長機会を見出している。
 
 リムチュカン地区のマスタープランも、最先端の国際的な農業プレイヤーを迎え入れ、シンガポールをハイテク農業の中心地に変えることを目指している。トマトタウンは3月に日本のパートナーと提携を開始し、これまで試行錯誤していたトマト栽培を本格化させる計画という。特に、トマトの収穫を最大化するための剪定技術には専門知識が必要で、熟練した手が欠かせないとタム氏は述べる。
 
 トマトタウンは11月に正式な協定を結ぶ予定で、現在はイタリア料理店にチェリートマトを供給しているが、今後はスーパーにも供給できるよう安定した生産体制を目指すという。