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2031年までに歩行者用ボタンが非接触型センサーに置き換わる計画

 2031年までに、シンガポールの交通信号機に設置されている歩行者用の押しボタンが、手をかざすだけで信号を作動させる非接触型センサーに置き換わる予定という。
 
 シンガポール陸上交通庁(LTA)は、2025年第4四半期から、現在の約1万1,500ヵ所に設置されている機械式ボタンを非接触型のマイクロ波センサーに順次変更する。このセンサーは電磁波を利用して手の動きを検知し、歩行者が道路を渡ろうとしていることを信号システムに伝える。LTAは、この移行に約6年を見込んでいる。
 
 この取り組みは、タッチポイントを減らして衛生面を改善するためのもので、2022年と2023年に実施された試験結果をもとに導入が決まった。試験では、赤外線センサーとマイクロ波センサーの2種類が評価され、最終的にマイクロ波センサーが精度や感度、さらには天候への適応力で優れていることが確認された。
 
 新しいセンサーは、従来の機械式ボタンに比べ、メンテナンスやコスト面での効率化も期待されている。機械式ボタンは15~20年の寿命があり、経年劣化や誤った使用によって故障が発生しやすい一方で、非接触型センサーはその影響を受けにくいとされている。
 
 また、視覚障害者向けの機能も備わっており、センサーには「タッチで作動」と書かれた点字が埋め込まれ、システムが歩行者の意図を認識した際には音で通知がされる。これらの機能は、LTAとシンガポール視覚障害者協会との協議を経て決定された。
 
 LTAは、この新しいシステムを既存の交通信号システムの保守および設置作業の一環として導入予定で、2023年9月に入札が開始され、11月25日に締め切られる予定という。