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経済

2024年10月29日

2025年に実質賃金の増加が見込まれるシンガポール、労働生産性の向上が鍵

 シンガポールの労働者は、労働生産性の向上とインフレの緩和に伴い、2025年に実質賃金の増加が期待されている。しかし、物価上昇率を考慮しない名目賃金の伸びは縮小する可能性が高く、2024年上半期から既に伸びが鈍化しているとシンガポール金融管理局(MAS)は10月28日に発表した。
 
 MASによると、シンガポールの雇用市場は引き続き堅調だが、一部の労働者、特に年配層や専門職での再雇用が難しい状況という。2024年第2四半期におけるPMET(専門職・管理職・技術職)の再雇用率は53.2%にとどまり、パンデミック前の平均62.6%を下回っている。また、50歳以上の再雇用率も41.6%と低調である。
 
 一方で、2024年には企業の営業利益が改善し、雇用創出が進む可能性も示されているが、電子製造業などの資本集約型産業の成長は、労働需要の大幅な増加には結びつきにくいとされている。
 
 2024年の名目賃金の成長率は、第1四半期の6.4%から第2四半期には4.1%に減速したが、医療や社会福祉など人手不足の業種や、進歩的賃金モデル(PWM)が適用される分野では引き続き堅調な賃金上昇が見込まれる。
 
 MASは2024年から労働生産性が回復し、2025年には更なる改善が予測されると述べた。特に製造業を含む貿易関連の業種での回復が期待されており、サービス業においても自動化投資の進展が生産性向上に寄与すると見られている。

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