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経済

2025年1月24日

2025年、建設契約額は最大530億Sドルに拡大へ

 シンガポール建設庁(BCA)は1月23日、2025年の建設契約額が470億~530億Sドルに達すると予測した。この数値は2024年の推定契約額442億Sドルを上回る見通しであり、大規模な公共インフラプロジェクトや公共・民間住宅開発が需要を押し上げる要因であると説明している。
 

主な需要を生むプロジェクト


 2025年の需要を牽引するプロジェクトには、公営住宅の改修工事、チャンギ空港第5ターミナルの建設、マリーナベイ・サンズの拡張などが挙げられる。さらに、2026年から2029年の建設需要は年間平均390億~460億Sドルに達する見込みである。
 

デジタル化と効率化への取り組み


 建設業界の生産性向上を目指し、BCAはデジタル技術やロボティクス、オートメーションの採用を推進している。その一環として、建設プロジェクトの承認プロセスを合理化する「CoreNet X」プラットフォームが導入された。このプラットフォームは、従来の複数機関を通じた手続きを単一のプラットフォームで3段階に簡略化するもので、承認までの時間を約20%短縮することが期待されている。
 
 2023年12月の試験導入後、2024年6月には自主的な利用が始まり、72社が28件のプロジェクトで利用した実績がある。これらのプロジェクトでは、すべての提出が20営業日以内に処理され、2回以内の修正で承認された。
 

段階的な義務化と業界支援


 2024年10月からは延床面積3万㎡以上の新規プロジェクトでCoreNet Xの使用が義務化され、2026年10月にはすべての新規プロジェクト、2027年10月には進行中のすべてのプロジェクトに適用が拡大される予定である。
 
 開発業者からの新規要件への懸念に対応するため、政府は追加印紙税の還付期限とプロジェクト完成期間を6ヵ月延長する措置を取った。また、中小企業を支援するため、ソフトウェア費用やトレーニング費用の最大50%を補助する「生産性向上助成金」も拡充された。
 
 シンガポール建築協会(SIA)の会長であるメルビン・タン氏は、「CoreNet Xはプロジェクトの初期段階での調整を促進し、下流の衝突を減らす」と述べ、業界の効率化への期待を示した。

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