シンガポール航空(SIA)は2月6日、機内で客室乗務員に対し「言葉と暴力による攻撃」を行った乗客を降機させたと発表した。SIAは全従業員に安全な職場環境を提供する権利があるとし、暴力行為を容認しない方針を強調した。
SIAの広報担当者によると、問題の乗客はシンガポール発上海行きの便(SQ826)に搭乗していた。同機は午前1時15分に出発予定であり、滑走路へ向かう途中であった。
事態を受け、パイロットは乗客とその同行者を機内から降ろすため、ゲートへ戻る決定を下した。2人はチャンギ空港の現地当局に引き渡された。
SIAは声明で「すべての従業員には、安全かつ尊重される職場環境が必要であり、機内および地上での無秩序な行動や暴力行為は一切容認しない」と述べた。
この騒動により、便は1時間46分遅延し、午前3時1分に出発した。SIAは乗客に対し、迷惑をかけたことを謝罪した。
一部始終を捉えた動画がTikTokで拡散されており、映像内では女性が中国語で叫ぶ様子が映されている。客室乗務員は冷静に対応し、状況を鎮静化させようとする様子が確認できる。
SIAは「客室乗務員は機内の安全を確保するため、危険行動を認識し対処する訓練を受けている」と説明。さらに、地上スタッフも安全確保の観点から問題行動が見られる乗客の搭乗を拒否する権限を持つとした。
SIAは今後も乗客と従業員の安全を最優先とし、適切な対応を続ける方針を示している。
SIA便で乗客が暴力行為、2名が降機処分
