2025年2月13日
AWS、シンガポールで設備投資を拡大 、100人以上を採用
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)はシンガポールでの事業拡大に伴い、100人以上の新規採用を予定している。募集職種はソフトウェアエンジニアリング、機械学習・人工知能(AI)、データサイエンス、ソリューションアーキテクチャなど多岐にわたり、現在の従業員2,500人に加わる形となる。
AWSは2月12日、マリーナベイのIOIセントラル・ブールバード・タワーズに36万平方フィートの新オフィスを開設した。この「AWSアジア太平洋ハブ」は、2024年から2028年にかけてシンガポールのクラウドインフラに120億USドルを追加投資する計画の一環である。AWSは採用時期について明言を避けたが、同社のシンガポールでの総投資額は2010年以来、235億USドルに達する見込みだ。
AWSのASEAN担当マネージングディレクター、ジェフ・ジョンソン氏は開所式で、「新オフィスはAWS社員だけでなく、AI研究者や大学などのパートナーとも協力し、デジタル変革とイノベーションを促進する場となる」と述べた。同社の新オフィスは8フロアに及び、最大3,000人が勤務可能で、2021年に開設したアジアスクエアの旧オフィスの3倍以上の規模を誇る。
AWSのクラウドサービスは、Trust Bank、Grab、PayNow、学術機関、公共機関などシンガポールのデジタル基盤を支えている。同社の継続的な投資により、2028年までにシンガポールのGDPに約237億USドルを貢献し、AWSおよび関連事業で1万2,300人超の雇用を創出すると予測されている。
シンガポールのデジタル開発・情報担当上級国務大臣ジャニル・プットゥチェリーGovTech担当大臣は、「AWSの新ハブはシンガポールのデジタルエコシステムの成長を示す重要なマイルストーンであり、AIなどの先端技術が経済競争力を高める鍵となる」と評価した。2023年、シンガポールのデジタル経済は1,130億USドルの付加価値を生み、名目GDPの17.7%を占めた。
一方、AWSは2024年初頭に世界的なクラウド需要の減速を受けて数百人の人員削減を行っており、2022年以来の削減規模は2万7,000人以上に達する。シンガポールにおける影響は明らかでないが、同社のシンガポール公共部門担当マネージャー、エルシー・タン氏は「2021年の約2,000人から現在の2,500人へと従業員数は純増している」と説明した。
AWSは2008年にシンガポールで事業を開始し、2010年にクラウドサービスを導入。2021年にはアジアスクエアに10万平方フィートのオフィスを構え、今回の新拠点でさらなる事業拡大を図る。