2025年2月13日
タイプーサム2025、約1万6000人の信者が参加
2025年2月11日、シンガポールで開催されたヒンズー教の祭典「タイプーサム」において、約1万6000人の信者が誓いを果たすために参加した。セミコンダクターエンジニアのサラヴァナン・ラジャスラン氏(30)は初めてカヴァディを背負い、炎天下の下で歩行した。2024年初めの祈りで子宝を願い、娘シャイナが12月7日に誕生したことから、この誓いを果たしたという。
タイプーサムはタミル・ヒンズー教徒にとって重要な祭典であり、神ムルガンへの誓願を果たす場である。多くの信者は牛乳の入った壺「パールクダム」を運び、一部の参加者は体や舌に針を刺す「アラグ・カヴァディ」を担いだ。
信者たちは、2月10日午後11時30分から11日深夜にかけて、セラングーン・ロードのスリ・スリニヴァサ・ペルマル寺院からタンカー・ロードのスリ・テンディユタパニ寺院まで3.2kmを歩いた。伝統楽器「タビル」の演奏が響き渡り、カヴァディ担ぎ手の士気を高めた。
今年の祭典では、約3万人が訪れた。信者の家族や友人も多数参加し、祭りを盛り上げた。特に、カヴァディを担ぐ男性が多い中、女性参加者のヌシャ・ダクシニ氏(25)は「パールカヴァディ」を担ぎ、菜食の断食を30日間続けて準備したと語った。
昨年の約1万2,000人の参加者を大きく上回る規模となった今年の祭典では、タンカー・ロード寺院での待ち時間が長引き、混雑が発生した。参加者のサリタ・ラジャラマン氏(40)は「待機列の整理が不十分で、一部の信者が疲労のため混乱した」と指摘した。
また、ゲスト・オブ・オナーとして出席したK・シャンムガム内務・法務相は、祭典の運営を称賛しつつも、待ち時間の短縮が課題であると述べた。「高齢者やミルクポットを運ぶ人々が2時間以上待つことがあり、改善の余地がある」と語り、関係者と対策を協議したことを明らかにした。
寺院側とヒンズー基金理事会(Hindu Endowments Board)は、テクノロジーの活用や入場のバッチ制導入など、待機時間の削減に向けた対応を検討するとしている。