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経済

2025年2月24日

シンガポール航空、過去最高の四半期収益を記録

シンガポール航空(SIA)は、2024年12月31日までの3ヵ月間で、過去最高となる52億Sドルの総収益を計上した。前年同期比2.7%の増加であり、航空需要の堅調な伸びが要因とされる。
 
SIAと子会社の格安航空会社スクートは、同期間中に1,020万人の旅客を輸送し、前年同期比7.2%の増加を記録した。しかし、旅客数の成長率は8.5%増の供給座席数の伸びには及ばず、競争の激化が収益性に影響を及ぼした。
 
SIAの収益率(1㎞当たりの旅客収益)は4.5%減の10.7セントとなり、競争の激化による圧力が浮き彫りとなった。同社は2024年末時点で、SIAとスクートを合わせて約200機の旅客機を運航しており、SIAにはエアバスA350-900が1機、スクートにはエンブラエルE190-E2が3機新たに加わった。
 
新規就航路線も拡大しており、SIAは2024年11月に北京大興国際空港への運航を開始。スクートは2024年10月にマレーシアのマラッカ、12月にベトナムのフーコックへの運航を始めた。これにより、同社の旅客ネットワークは36ヵ国・地域の129都市に広がった。
 
 同四半期の営業利益は6億2,900万Sドルで前年同期比3.3%増加し、純利益は146.7%増の16億Sドルを記録した。これは、2024年11月にインドの航空会社ヴィスタラを売却した際に発生した10億Sドルの非現金会計利益が主な要因である。
 
 貨物事業では、電子商取引や生鮮品輸送の需要増により、貨物収益は9.7%増の5,400万Sドルとなった。SIAは7機の貨物専用機を運航しており、貨物ネットワークは37ヵ国・地域の133都市に広がっている。
 
 SIAは今後も航空需要の増加が見込まれる一方で、競争の激化や収益率の低下が続くと予測している。なお、同社の株価は2月20日の取引終了時点で6.42Sドルと、前日比1セント安で推移した。

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