2025年2月25日
シンガポールのコア・インフレーション、1月に大幅低下で3年ぶりの低水準
シンガポールのコア・インフレーションは、主要財・サービス全体の値上がり鈍化と過去のGST引上げ効果の薄れを背景に、1月に前年同月比0.8%と大幅に低下した。これは前月修正値1.7%からの0.9ポイント減であり、ブルームバーグ・アナリスト予想の1.5%を下回る結果である。なお、全体のインフレーション率(ヘッドライン)は1.2%に落ち着き、前月の1.5%からさらに軟化した。月次では、コア・インフレーションが0.2ポイント、全体が0.7ポイント下落した。
また、消費者物価指数(CPI)は、最新のシンガポール家計の消費パターンを反映すべく、基準年を2019年から2024年へと改定した。MAS(金融管理局)及びMTI(貿易産業省)の共同報告によれば、主要食品市場の供給見通しや原油価格の下落予測により、輸入物価は中庸な水準を維持するとされ、2025年のインフレーション予測は据え置かれている。
一方、DBS銀行やMaybankのエコノミストは、今回の急激な物価低下は電気・ガス、宿泊、サービス分野における大幅な値下げに起因しており、MASが近いうちに金融緩和策を講じる可能性が高いとの見方を示している。さらに、政府による公共サービス分野(医療、教育、公共交通)への補助強化が、今後のサービスインフレーション抑制に寄与する見込みである。