2025年2月26日
HDB住宅購入者、2024年に民間住宅への移行が加速
2024年、HDB住宅から民間住宅への住み替えが加速した。これは、住宅ローン金利の緩和とHDB住宅の転売価格の急騰が背景にある。PropNexのデータによると、2024年にはHDB住所を持つ購入者による新築および転売の民間住宅(非土地所有型)の購入件数が5,420件に達し、2023年の5,060件から7.1%増加した。2023年は2022年から20.6%の減少を記録していたため、2024年は回復傾向にある。
特に郊外の民間転売物件の購入が増加した。価格の手頃さと広い居住空間が魅力となり、HDB住み替え層に人気を博した。住宅ローン金利の低下に伴い、2024年第4四半期以降の需要回復が顕著となり、2025年には開発業者が新規プロジェクトの販売を加速させる見通しだ。
2025年には郊外で5,600戸以上の新築コンドミニアムおよびエグゼクティブコンドミニアム(EC)が市場に投入される予定であり、これは全体の約43%を占める見込みである。2024年の新築ユニット供給量は6,647戸であったが、2025年はそのほぼ倍にあたる1万2,973戸に達する可能性がある。
また、HDB住宅価格の上昇率が民間住宅を上回ったことで、住み替えの動きが活発化した。HDBの転売価格指数によれば、2024年の転売価格は前年比9.7%上昇し、2023年の4.9%を大きく超えた。一方で民間住宅価格の上昇率は3.9%にとどまり、2023年の6.8%から鈍化した。
HDB住宅からの移行が進む要因として、住民の平均月収増加も挙げられる。2024年の5ルームおよびエグゼクティブフラットの世帯平均月収は1万3,575Sドルに達し、2020年の1万1,392Sドルから上昇した。同様に、4ルームの平均月収も1万327Sドル(2020年は8,347Sドル)に増加している。
さらに、HDB住所を持つ購入者の民間転売住宅購入が19.9%増の4,013件に達する一方、新築住宅購入は16.7%減の1,363件にとどまった。これは、新築コンドミニアムと転売コンドミニアムの価格差が拡大したことが影響している。2024年の新築コンドミニアム(ECを除く)は、転売コンドミニアムよりも48.4%高く、1平方フィート当たり2,464Sドルに達した。
2024年にHDB住み替え層に人気だったプロジェクトには、Treasure at Tampines、High Park Residences、Stirling Residences、The Tapestry、Kingsford Waterbay、Parc Botanniaなどが含まれる。
2025年は既に好調なスタートを切っており、2月の新規プロジェクトElta(Clementi)とParktown Residence(Tampines)では1,367戸が販売され、1月の取引数を超えた。特にParktown Residenceは87%の販売率を記録し、高い需要を示した。