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社会

2025年2月28日

国際的ハッカー、タイで逮捕 シンガポールとタイ警察の連携捜査

 世界75件以上のハッキング事件に関与したとされる39歳の男が、2月26日にタイで逮捕された。シンガポール警察(SPF)が2月27日に発表した。
 
 この逮捕は、シンガポール警察とタイ王国警察の合同捜査の成果である。捜査を支援したサイバーセキュリティ企業Group-IBによると、容疑者は世界90件以上のデータ漏洩に関与し、うち65件がアジア太平洋地域で発生。最も多かったのはタイの21件、次いでシンガポールの14件だった。
 
 シンガポールでは2020年に11人の被害者が警察に通報し、捜査が開始された。被害者は複数のハッカー集団から身代金を要求されていた。容疑者は「Altdos」「Desorden」「GhostR」「0mid16B」といった異なる名称を使用していたが、これらは同一人物によるものとみられる。
 
 身代金を支払わなかった被害者のデータはオンラインで販売された。特に「Desorden」は2021年、就職支援会社Protemps Employment Servicesのデータを流出させ、わずか2.10ユーロ(約3Sドル)で公開。また、PCメーカーAcerのインドと台湾でのハッキング事件にも関与した。
 
 「Altdos」は2021年8月、不動産会社OrangeTee & Tieを標的とし、25万人以上の顧客・従業員・代理店の情報を流出させた。
 
 SPFサイバー犯罪対策本部はタイ警察と緊密に協力し、容疑者の身元を特定。SPFの発表では国籍は明かされていない。タイ警察は携帯電話、ノートパソコン、高級車、ブランドバッグなど、1000万バーツ(約39万5500Sドル)相当の資産を押収した。
 
 捜査は現在も進行中である。シンガポール警察のポール・テイ警視補は、タイ警察の協力に感謝を表明し、「サイバー犯罪者を徹底的に追跡し、正義を貫く」と強調した。

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