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経済

2025年3月25日

2025年、航空運賃は値下がり傾向 — 燃料価格の下落と競争激化が要因

 2025年は航空運賃が値下がりすると予測されている。国際航空運送協会(IATA)は2024年12月、2025年の往復航空券の平均価格が前年より1.8%下がると発表した。特に米国とアジア間の長距離便は、前年同期比で11%安くなっているという。
 
 旅行予約サイトExpediaも、2025年版「Air Hacks Report」で、2024年のシンガポール発着のエコノミークラスの平均運賃が前年より12%、プレミアムクラスは8%下落したと報告している。これは、航空券発券データを管理する米ARC社の統計に基づいたものである。
 
 価格下落の主因は、ジェット燃料価格の低下である。IATAによれば、2025年のジェット燃料価格は1バレル87USドルと、2024年より12ドル安くなる見込み。YCP Auctusの航空専門家カダム氏は「航空券価格は2019年水準に近づく可能性が高い」と指摘する。
 
さらに、チャンギ空港を拠点とする格安航空会社(LCC)の増加も価格競争を促進している。シンガポールでは価格感度の高い東南アジア市場により、LCCの存在感が大きく、全体の約20%を占めている。
 
旅行需要の回復により、航空会社は新路線の開設や便数の増加に踏み切っており、選択肢の多さが消費者に有利に働いている。旅行者は航空券比較を通じて、お得な価格での購入が可能になっている。
 
ただし、航空券価格は季節性や需要によって変動する。Expediaによれば、旧正月を含む2月が最も高く、6月・7月はプレミアム・エコノミーそれぞれ最安値になる傾向がある。
 
価格は今後も変動する可能性があるが、利用者にとっては、平日フライトや柔軟な予約でコストを抑える工夫が有効といえる。

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